前回の記事はこちら↓
ストレスとメンタルヘルス⑤今すぐストレスチェック!「職業性ストレス簡易調査票」を使ってみよう
ストレスに対処することをコーピング(coping)といいます。
「ストレスがなければいいのに・・・」と、誰もが一度は思ったことがあるのではないかと思います。
しかし、日々生活したり働いたりしている限り、私たちはまったくストレスのない状況にい続けることはできません。
ストレスをなくすことは難しいですが、コーピングによりストレスを軽減したり、ストレスに対し適切な対処を取ったりすることは可能です。
今回はコーピングの種類と方法について見ていきましょう。
ストレス要因を除去する問題焦点型コーピング
悩みやストレスの原因を取り除くコーピングを「問題焦点型コーピング」といいます。
たとえば、苦手な仕事があり、それに取りかかるのをストレスに感じているとします。
「あ~嫌だなあ。やりたくない」と先延ばしにしても、ストレスはなくなりません。
その仕事をする時間がどんどん減り、ますますストレスに感じてしまいます。
「どっちにしろやらないといけないのだから、早めに取りかかろう」と決めて始めてしまえば、余裕をもって取り組めます。
もし途中で行き詰まっても、ほかの人に助けを求めることもできます。
仕事に取りかかるという行動により、「やりたくない」というストレスに対処するのです。
「やりたくない」というストレスに対処する方法は「すぐやる」ことです。
ストレス反応を軽減する情動焦点型コーピング
ストレス反応を軽減するコーピングを「情動焦点型コーピング」といいます。
ストレス反応には、怒り・不安・焦りなどの情動的興奮と、筋肉の緊張・心拍数増加・血圧上昇などの身体的興奮があります。
情動的興奮を軽減するには、リラクセーションやヨガ、アロマテラピーなどを行うと良いと言われています。
また、身体的興奮を軽減するには、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどの無理のない有酸素運動をすると良いと言われます。
ものごとを肯定的に捉えてみる
問題焦点型コーピングを上手に行うには、ものごとを肯定的に捉えるスキルが必要です。
「苦手だ」「嫌いだ」「不安だ」「疲れる」といったネガティブな気持ちになったときは、肯定的なことばで言い換えてみましょう。
- 「人前で話すのは苦手だ」→「自分の考えを伝えるいい機会だ」
- 「ほかの人に否定されそうで不安だ」→「自分では気が付かなかったところに気づくチャンスかもしれない」
- 「満員電車で立ちっぱなしは疲れる」→「ダイエットになりそうだ」
窮屈な表現をやめてみる
私たちはつい、「~しなければならない」「~べきだ」といった表現を使ってしまいます。
しかし、このような考え方や表現は主観的なものであり、ときに自分も相手も、見えない窮屈な箱に閉じ込められたように苦しくなってしまいます。
このような表現を使いそうになったときは、緩めるように言い換えてみましょう。
- 「~でなければならない」→「~のほうが望ましいこともある」
- 「あの人は~であるべきだ」→「どうあるかはその人の選ぶことで、自分の決めることではない」
こちらの記事もどうぞ


