職場内でメンタルヘルスの相談をできる機関にはどのようなものがあるでしょうか。
産業医・保健師・衛生管理者などの「事業場内産業保健スタッフ」と呼ばれる人たちや、人事労務管理スタッフがいます。
社内で従業員のメンタルヘルス対策を担う社内資源について見ていきましょう。
産業医
産業医は、医療の専門家として労働者の症状を評価し、健康維持のための配慮や助言、健康診断や面接指導を行います。
休職していた労働者の復職の際は、主治医と情報交換し、復職後に必要な配慮や労働環境改善の提案などを行います。
なお、診断や治療は主治医の役割なので、産業医は通常行いません。
労働者が常時50人以上いる事業場では、産業医を選任しなければなりません。
1,000人以上の労働者がいる事業場や、有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場では、専属産業医を選任しなければなりません。
保健師・看護師
保健指導や健康相談・教育、疾病予防の役割を担っています。健康教育にはメンタルヘルス教育も含まれています。
メンタルヘルス不調の疑いのある人の早期発見や不調者のフォローアップ、必要に応じて産業医との面談につなぐなどの役割も果たしています。
なお、選任義務はないため、すべての事業場に配置されているわけではありません。
衛生管理者
メンタルヘルス対策計画に基づき、教育研修の企画、相談窓口などの体制づくり、職場環境の評価・改善を図ります。
常時50人以上の労働者がいる事業場は、その規模に応じて決まった人数の選任義務があります。
常時10人以上50人未満の労働者を使用する場合は、衛生推進者を選任します。
人事労務管理スタッフ
メンタルヘルス不調者などに対し、労働者の業務軽減や時間外労働の制限、異動・配置転換など、人事労務管理上でできる適切な配慮を行います。
職場におけるメンタルヘルス不調は、まず社内資源を活用してみましょう
職場で心身の不調を訴えると、「退職を促されるのでは・・」「迷惑がかかるのでは・・・」とためらってしまうこともあるかと思います。
しかし、こちらに上げた専門家やスタッフは、必要に応じて連携を取り、それぞれの立場や役割から職場のメンタルヘルスを推進しています。
また、これらの社内スタッフが主治医と連携を取るときは、原則本人の同意が必要なので、勝手に主治医に連絡を取られることはありません。
もちろん、職場は多くの人がいるチームなので、ひとりの従業員の希望や意見がすべて通るわけではないと思いますが、
休職や復職をスムーズに行うためにも、早めに相談し味方となってもらえるようにしておくと良いでしょう。
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