メンタル疾患で休職~復職までの「5つのステップ」

メンタルヘルス不調で休職すると、完全な職場復帰は簡単ではありません。

うつ病による休職者が復職しても、1年以内に約3割、2年以内に約4割、5年以内に約半数が再び休職するというデータもあります。

復職をスムーズに行うには、どのようなステップが必要なのでしょうか。

職場復帰支援の基本的な考え方

管理監督者の理解が不可欠

まず、管理監督者が支援を理解することが不可欠です。

「病気で休まれるとほかの社員の負担になって迷惑」
「しんどいのに無理して働くくらいなら辞めてもらったほうがいい」
このような理解のない考え方をしていると、休職者本人はもちろん、部署全体にもマイナス効果となります。

なぜなら、休職者が出ていること自体が、職場環境や管理者のマネジメントにも何らかの問題や改善点があることを示唆しているからです。
復職支援に取組むことで、部署全体やマネジメントの問題も解決できると捉えることが必要です。

プログラム実施は明確に、公平に

職場復帰支援プログラムは、休業開始時から始まります。
よって、プログラムや規則については、事前に従業員に周知しておくことが必要です。

いざ休職者が出てから「何をすればいいかわからない」「とりあえず面談をしたらいいのかな」と右往左往してしまっては、休職者本人はもちろん、ほかの従業員や管理監督者自身も疲れてしまいます。

また、場当たり的な対応を取ると、従業員が不公平感や不信感を持ってしまい、復帰支援がうまくいかないこともあります。
事前にきちんとプログラムを用意しておくことで、それらに則り公平な態度で行動できるようにしましょう。

「5つのステップ」とは

事業者が職場復帰支援に関するルール作りができるよう、厚生労働省が作ったのが「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」です。
2004年10月に作成され、2009年3月に改訂されました。

この手引きに掲載されている職場復帰支援の流れを「5つのステップ」と呼んでいます。

第1ステップ:休業開始~休業中のケア

・病気休業開始時の労働者からの診断書提出
・管理監督者によるケアおよび事業場内産業保健スタッフ等によるケア
・病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応
・その他

事業場内産業保健スタッフ等については以下の記事もどうぞ↓
困ったときの相談機関①会社内でメンタルヘルスを相談できる人は?

第2ステップ:主治医による復職可能の判断

・労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の診断書提出
・産業医等による精査
・主治医への情報提供

症状の診断や治療は、主治医が行います。
身体症状や精神症状の改善、生活リズムの改善については主治医が把握しますが、復帰後に職場や仕事に適応できるかは主治医には判断が難しいところです。
産業医がいれば、主治医の診断書をもとに職場復帰が可能かを労働衛生からの観点で精査しておくと良いでしょう。

第3ステップ:復帰可否の判断~職場復帰支援プラン作成

・情報の収集と評価
・職場復帰の可否についての判断
・職場復帰支援プランの作成

プランの作成においては、
・職場復帰日
・管理監督者による就業上の配慮
・人事労務管理上の対応
・産業医などによる医学的見地から見た意見
・フォローアップ
・その他

を検討することとされています。

管理監督者が「復帰は完全に治ってからするべきだ」という意識では、いつまで経っても休職者は復帰できません。
なぜなら休職者は、仕事から離れている間に、仕事ができるか自信が持てなくなっているからです。

休んでいる間にできることは、身体・精神の症状を改善し、生活リズムを整えるところまでです。
実際に職場で仕事ができるかは、実際に復帰して仕事をしながら適応していくしかありません。

また、休職者の中には、休職前にがんばりすぎてエネルギーを使い果たしてしまうような働き方をしていた人もいます。
がんばりすぎなくても働けるペースをつかむまで、焦らず適切なサポートをして支えましょう。

第4ステップ:最終的な職場復帰の決定

・労働者の状態の最終確認
・就業上の配慮等に関する意見書の作成
事業者による最終的な職場復帰の決定
・その他

最終的な復帰の決定は、事業者が行います。

第5ステップ:復帰後のフォローアップ

・疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認
・勤務状況及び業務遂行能力の評価
・プランの実施状況の確認
・治療状況の確認
・プランの評価と見直し
・職場環境の改善など
・管理監督者、同僚等への配慮等

労働者は、復帰後も通院や治療を続けていることもあります。
状況を把握しながらプランの評価や見直し、職場環境の改善などを実施していく必要があります。

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