働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度③雇用保険の基本手当

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働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度②労災保険の給付

失業した人の生活と再就職をサポートするのが”雇用保険”

失業すると、次の仕事が見つかるまでの間の生活費が心配になります。
貯金退職金があれば、しばらくはそれを切り崩して生活することもできますが、なるべく手元に残しておきたいものです。
失業したときに使える制度にはどのようなものがあるでしょうか。

雇用保険は、失業したときの所得保障や再就職のための職業訓練などを受ける際の補助をしてくれる制度です。
今回はそのうち、失業中の所得保障として給付される基本手当について見ていきます。

基本手当を受給できる条件

①離職した日以前の2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上ある人
 または
②離職した日以前の1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上ある特定の要件に該当する人※

※特定の要件とは、事業の倒産・縮小・廃止や、解雇・雇い止め、正当な理由のある自己都合(過重労働・パワハラなど)により退職した場合を指します。

被保険者期間とは?

雇用保険における被保険者期間は、雇われていた期間のことではありません
離職の日からさかのぼって1か月ごとに区切った「月」のうち、賃金支払基礎日数(出勤日や有休など給料の発生する日)が11日以上あったものを1ヶ月とカウントします。

たとえば、11月8日に離職した人なら、①10月9日~11月8日、②9月9日~10月8日・・・というふうにさかのぼって月を区切っていきます。
カレンダー上の月とは一致しないことに注意しましょう。

どのくらいの金額をもらえるのか

働いていたときの賃金額と、離職した日における年齢・算定基礎期間(被保険者であった期間)、離職理由などによって決まります。

1日あたりの基本手当額は、ざっくり言うと、最後の6ヶ月に受け取った賃金を1日あたりの平均にした額の50~80%です。

基本手当日額=被保険者期間の最後の6ヶ月の賃金総額÷180×〔50%~80%〕

以下のリンク先から計算することができます。
いくらもらえる?失業保険~基本手当の支給額を自動計算~

もらえる日数は?

年齢、離職理由、算定基礎期間などによって変わります。

一般の受給資格者(契約期間満了や自己都合退職などによる離職者)の場合、年齢に関わらず
①算定基礎期間10年未満…90日
②10年以上20年未満…120日
③20年以上…150日

です。

およそ3~5か月間、賃金の50%~80%が支給されるというイメージです。
ちなみに、50~80%の率が何%になるかは、もらっていた賃金の額によって変わります。
低所得者の保護を手厚くするため、賃金が低い人ほど高い率になります。

手続きの方法

  • STEP.1
    勤務先から離職票をもらう
    離職したら、勤務先から離職票を取り寄せます。
    事業主は10日以内に、ハローワークに離職者の離職手続きを行う義務があります。
    離職票が届くのが遅れると、その後の手続きも遅くなってしまいます。
    早めに送ってもらうよう頼んでおくと良いでしょう。
  • STEP.2
    ハローワークで求職申込をする
    離職票を持ってハローワークへ行きます。
    顔写真や印鑑、本人確認書類などの持参が必要な場合もあります。
    パンフレットやホームページを確認しておきましょう。
    最初に窓口で求職申込書を記入するよう案内されるので、
    記入して提出しましょう。
    その後、離職票を所定の窓口に提出し、説明会の日程を確認します。
  • STEP.3
    雇用保険説明会に参加する
    決められた日時に説明会に参加します。
    受給資格者証や失業認定申告書などの書類を渡されるので、
    次の認定日までに必要事項を記入します。
  • STEP.4
    認定日に申告書を提出する
    決められた認定日にハローワークへ行き、申告書を提出します。
    原則4週間ごとに認定日があります。
    失業の認定を受けると、基本手当が支給されます。

注意すること

すぐに働く意志と働ける能力がないと支給されない

病気・ケガ、出産などですぐに働けないときや、学業や家事に専念するときは支給されません。
「健康で、仕事が見つかったらすぐに働きたいし、働きます」という状況であることが必要です。

病気・ケガで働けないときは、基本手当の代わりに傷病手当を受給できる場合があります。
また、在職中から病気・ケガで休業していた人は、健康保険の傷病手当金や労災保険の休業(補償)給付が受けられる場合もあります。
働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度①傷病手当金 働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度②労災保険の給付

決められた回数以上の求職活動を行わなければいけない

認定日ごとに、期間中にどんな求職活動(応募書類の提出や採用面接、所定の講座への参加など)をしたかを確認されます。
求職活動を行っていないと「就労の意志がない」とみなされ、手当が支給されません。

離職理由によっては3か月間給付されないことがある

正当な理由のない自己都合退職をしたときや、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇されたときは、1か月~3か月給付制限があります。
手当を最初にもらえる時期が、この分遅くなるということです。
つまり、その間の生活費を自分でやりくりする必要があります。

不正受給は厳しく罰せられる

基本手当は失業している人の再就職を応援するためのものであり、不正受給は厳しく罰せられます。
不正に受給した手当を全額返還しなければならないことに加え、罰金が科せられることもあります。
説明や指示には従いましょう。

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