働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度⑦公共職業訓練と技能習得手当

前回の記事はこちら↓
働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度⑤教育訓練給付

ハローワークでは、無料で受けられる職業訓練メニューも用意されている!

教育訓練給付は、資格を取るのにかかった費用の一部を後からもらえるものですが、
「そもそも資格を取りに行くためのお金もない・・」という人もいるかと思います。

ハローワークでは、無料(ただしテキスト代などは自己負担)で受けられる公共職業訓練も用意されています。
訓練メニューは民間の専門学校などで受けられるものが多いので、プロの講師による充実したカリキュラムの訓練が受けられます。
そのうえ、訓練場所への交通費(通所手当)が出るほか、1日500円受講手当ももらえます。
(この通所手当と受講手当をあわせて技能習得手当と呼んでいます。)

今回は、失業中に公共職業訓練を受ける方法についてご紹介します。

どんな場合に受けられるの?

積極的に求職活動をしているにもかかわらず、なかなか就職に結びつかない人で、
ハローワークで「職業訓練の受講が必要である」と認められた場合に受講できます。

知識や技能の習得はあくまで通過点で、早期に就職に結びつくことが目的です。
「勉強面白そうだし、応募したい求人には関係ないけどとりあえず資格とっておこう」といった、
就職に結びつけずに単に知識や資格がほしいからという場合や、
「もう経理の仕事で働いた経験があるけど、簿記の資格はまだ取っていないからこの機会に取ろう」というように、
すでにその仕事での経験や資格を持っているのと同等の知識があり、受講しなくても希望する種類の求人に応募できる場合は受講できません。

また、「希望する仕事は介護の仕事だけど、電気工事士の資格が面白そうだから申し込んでみよう」というように、自由にコースを選べるものでもありません。
明らかにこれまでの実績より希望収入が高いなど、あまりに現実ばなれしている場合や、適性や能力に見合わないものも認められません。

  • 求職活動をしているが、なかなか就職に結びつかないこと
  • その訓練を受講することによって、希望する求人の応募条件を満たすことができること
  • 今までの職歴や自分の強み、価値観を踏まえたキャリアプランを描けていること

が大切です。

失業中に職業訓練を受けるには

公共職業訓練は、雇用保険受給資格者を対象としています。
(資格のない人でも応募はできますが、優先度が低くなります。また、求職者支援訓練という「雇用保険の受給資格のない人」を対象にした訓練もあります。)

  • STEP.1
    求職申込
    ハローワークで求職申込をします。求職申込書に希望する職種や労働条件、これまでの職歴や保有資格などを書く欄があります。
  • STEP.2
    職業訓練受講の相談
    ハローワークのチラシやパソコンで、開講される職業訓練の一覧を見ることができます。希望する職種や労働条件を叶える内容の訓練をピックアップしておきます。
    窓口で「この訓練を受けてみたいのですが・・」と申し出ると、相談窓口につないでくれます。制度や申込手順について説明を受けます。訓練校による事前説明会を実施している場合もあるので、参加しましょう。
  • STEP.3
    キャリア・コンサルティング及びジョブカードの作成
    ハローワーク内には民間事業者のキャリア・コンサルタントが入っており、訓練申込前にコンサルティングを受けるよう指示されることがあります。
    必要に応じて面談やジョブ・カードの作成をし、これまでのキャリアを振り返りつつ、その訓練を受けることの必要性や今後のキャリアプランを確認します。
    参考 ジョブ・カード制度総合サイト厚生労働省
  • STEP.4
    受講申込・選考
    ハローワークで訓練が必要と認められると、受講申込書をもらえます。必要事項を記入し、顔写真を貼付け提出します。
    訓練校による選考試験を受けます。「ここから就職活動は始まっている!」と気を引き締め、時間厳守・スーツ着用で挑みましょう。
    合格すると、いよいよ訓練開始です。

自治体や応募する訓練の内容、応募時期などによって、必要な手続きは変わる場合があります。
わからないことがあればハローワークで聞いてみてください。

訓練中は技能習得手当が受けられる場合も

雇用保険の基本手当を受けられる人が、一定の残日数を残した状態で(つまり早めに)受講する場合は受講指示という形になり、技能習得手当を受けることができます。
技能習得手当には、1日500円(上限40日)の受講手当と、訓練場所までの交通費(条件有)である通所手当があります。

自己都合退職の人は基本手当の給付制限が解除される場合も

自己都合退職の場合、基本手当※の給付制限が3か月あります。

※基本手当については以下の記事もご覧ください。
働けない、家賃が払えない…困ったときに使える制度③雇用保険の基本手当

しかし、受講指示により職業訓練を受けられるようになると、給付制限が解除されます。
さらに、基本手当が支給終了になった後も、訓練が終了するまで引き続き基本手当をもらうことができます。
(この延長される手当を訓練延長給付と呼びます。)

あせらず、キャリアを見直すことから始めてみませんか

失業すると、「早く再就職しなきゃ」と、どうしても焦りが出てしまいます。
何度も採用試験に落ちると、「もうどこにも受からないかも・・」「とりあえずパートやアルバイトでもいいか」と、どんどん視野が狭まっていってしまいます。

しかし、要件を満たしていれば雇用保険の基本手当を受けながら生活することもできますし、基本手当を受けている間に職業訓練に行って、じっくり仕事を探すという選択肢もあります。
職業訓練は誰でも受けられるものではありませんが、相談してみることで、自分のキャリアを振り返ることができたり、これまで考えられなかった選択肢を知ることができたりすることもあります。

あせらず、情報を集めたり相談したりすることから始めてみるのも良いのではないでしょうか。