生活保護の基礎知識④申請が却下されるのはどんなとき?

前回の記事はこちら↓
生活保護の基礎知識③申請すると家族に知られる?扶養義務者と扶養照会

申請が却下されるのはどんなとき?

生活保護の申請をすると、福祉事務所は原則14日以内に結果を申請者に通知しなければなりません。
却下されるのは以下の場合です。

  • 収入が国の決めた最低生活費を上回る場合
  • 他の法律に基づく給付が受けられる場合
  • 稼働能力かどうのうりょくを活用していない場合
  • 世帯全員の資産が十分に活用されていない場合
  • 親族からの援助が受けられる場合

収入が国の決めた最低生活費を上回る場合

生活保護は、「世帯全体の収入<国の決めた最低生活費」の場合に、「最低生活費―収入」の差額を支給する制度です。
よって、世帯全体の収入(就労収入、年金、各種手当などの合計)が最低生活費を上回る場合は、支給されません。

生活保護の基礎知識①生活保護ってどんな制度?

他の法律に基づく給付が受けられる場合

生活保護制度には、補足性ほそくせいの原理」という考えがあります。
これは、生活保護費はほかの収入や能力、資産を活用しても足りないときに、足りない分だけ支払うという考え方です。

つまり、生活保護以外の制度で支給される年金や各種手当、給付金などをもらえる場合は、それをまず受けなければなりません。
受けられる年金や手当などをすべて受けても収入が最低生活費より少ない場合は、足りない分を生活保護費から支給します。

稼働能力かどうのうりょくを活用していない場合

「稼働能力の活用」とは、働ける人はその能力に応じて仕事をしなければならないということです。
働く能力とは、①体調・体力、②働く意思、③働ける環境 の3つです。

①体調・体力

病気やケガで就労できない場合は、主治医の診断を受け、「現在病気・ケガのため就労が不可能である」という診断書を書いてもらいます。

②働く意思

体調に問題がなければ、早期就職を目指し就職活動をする必要があります。
就職活動をしていないと、稼働能力を活用していないとみなされてしまうことがあります。

③働ける環境

健康で働く意思があり、就職活動をしていても、なかなか仕事に就けない場合もあります。
これまで就いてきた職種に求人があまりなく、ほかの仕事をしようにも経験がないので、すぐには見つからないといった場合などです。
このような場合は、稼働能力を活用しているものの就労できないとし、保護が認められる可能性が高いです。

「稼働能力を活用していない」という理由で却下されたら?

病気やケガがあったり、就職活動をしているにもかかわらず、すぐに仕事に就けないときは、不服申し立てや再申請をすることもできます。

世帯全員の資産が十分に活用されていない場合

資産とは、不動産(土地や建物)、現金、預貯金、有価証券、生命保険、自動車、貴金属などの高価なものを指します。
これらの資産を売却、換金するなどして生活できる場合は、生活保護の申請が却下されることがあります。

親族からの援助が受けられる場合

扶養義務者ふようぎむしゃからの援助(仕送りや同居など)が受けられる場合は、却下されることがあります。
扶養義務者や扶養照会ふようしょうかいについては、以下の記事もご覧ください。
生活保護の基礎知識③申請すると家族に知られる?扶養義務者と扶養照会

却下よりも、申請させてもらえるかのほうが問題!?

福祉事務所に申請書を出していれば、却下された理由におかしいところがある場合は不服申し立てをすることができます。
しかし、そもそも窓口で申請書を渡してもらえなかったり、「家族に援助してもらってください」「先に仕事を探してください」などと追い返されたりして、申請すらさせてもらえないこともあるようです。
申請をしなければ審査もないので、支給要件にあてはまるかもはっきりしません。

申請の意思があるのに、窓口職員に追い返され申請をさせてもらえない場合は、違法行為にあたります。
郵送で申請する、議員などの第三者に相談するなど、あきらめずに申請を行うことが大切です。