前回の記事はこちら↓
職業訓練体験記④簿記3級は2週間で取れる!?
事務職は就職難?
「事務職への転職は難しい」とよく言われます。
私が職業訓練に応募したときも、選考の面接で
「事務職の求人は少なく、厳しい競争になりますが、それでも事務職での転職を希望しますか?」
ということを聞かれました。
(訓練の選考試験については、以下の記事もお読みください)
職業訓練体験記②訓練校の選考試験
実際に、どのくらい難しいのでしょうか。
求人の数より就職希望者のほうが多い!?
“仕事探しのしやすさ”を測るめやすとなる数値には、“有効求人倍率”というものがあります。
これは、求人の数を仕事をしたい人の数(求職者数)で割ったものです。
例えば、100件の求人が出ているのに対し、仕事をしたい人が100人いるとすると、
有効求人倍率=求人の数(100件)÷仕事をしたい人の数(100人)=1
となりますから、計算上は1人あたり1件の仕事があることになります。
しかし、求人は100件しかないのに、仕事をしたい人が200人いると、
有効求人倍率=求人の数(100件)÷仕事をしたい人の数(200人)=0.5
となり、2人に1人は仕事がないことになります。
逆に、仕事をしたい人の数よりも仕事の数のほうが多い場合もあります。
求人が500件あり、仕事をしたい人が100人の場合は、
有効求人倍率=求人の数(500件)÷仕事をしたい人の数(100人)=5
となり、計算上は1人あたり5件の求人があることになります。
企業側から見ると働きたい人が不足している状況なので、数字が大きいほど競争が弱まるといえます。
- 有効求人倍率とは・・・仕事を探している人1人あたりに対する、求人(仕事)の数
- 数値が大きいほど、競争率が低いので仕事が探しやすい。
- 逆に数値が1より小さいと、競争率が高く仕事が探しにくい。
事務職の有効求人倍率は?
厚生労働省の統計によると、2019年2月の有効求人倍率は全体で1.54です。
しかし職種ごとに見てみると、ばらつきがあります。
建築・土木・測量技術者は6.04と、かなり大きくなっています。
人不足といわれる介護サービスも4.19で、大きいことがわかります。
一般事務は、なんと0.46です。
つまり、2人に1人は仕事がない計算になります。
ちなみに、営業は1.91、商品販売は2.72、情報処理・通信技術者は2.50となっています。
いかに事務の競争が激しいかがわかるかと思います。
参考 一般職業紹介状況(平成31年2月分)について厚生労働省転職はタイミングも大事
求人の数も仕事をしたい人の数も、日々変わります。
特に年度末である3月は仕事を辞める人が増えるので、求人の数も増える傾向にあります。
ただし、仕事を辞める人が増えるということは、転職のために仕事を探す人も増えるということです。
中には経理や総務の部署で長年働いたベテランの人もいるでしょう。そういった人たちとも競うことになります。
職業訓練には、販売や接客など、事務以外の職種から転職をめざす人もいました。
「事務は誰でもできる仕事」というイメージがあるとはいえ、未経験者は採用の際に経験者と比べられることになるので油断はできません。
気になる求人はすぐに応募しないと、数日で募集を締め切られてしまうこともあります。
求人の数が多いからといって、競争がしやすくなるとはいえません。
日々ハローワークや求人サイトでチェックし、気になったらすぐに応募できるよう準備をしておくことが大切だと思います。