職業訓練体験記⑥簿記を取ると転職で有利になる?

前回の記事はこちら↓
職業訓練体験記⑤事務職の転職は難しい?

会計・経理事務は、日商簿記を持っていると有利?

前回の記事で、事務職への転職は有効求人倍率が低く、厳しい状況にあるというお話をしました。
職業訓練体験記⑤事務職の転職は難しい?

では、簿記の資格を持っていると、就職に有利になるのでしょうか。

私は、資格はあるほうが転職がしやすいと感じました。

その理由は、二つあります。

転職しやすくなる理由1.応募できる求人が増える

企業が出している求人には、「必要な資格」「必須のスキル・経験」といった項目があります。

会計や経理事務の求人には、「日商簿記3級必須」「日商簿記2級相当の知識があること」「経理実務の経験があること」と書いてあるものが少なくありません。

もし、経験や資格を持っていなければ、これらの求人には応募できません。

私は職業訓練に行く前も求人を探していましたが、経験も資格もなかったので、求人を検索するときは「資格不要」「未経験可」のものに絞って探すことになります。

すると、出てくる求人の数が少なくなってしまい、ほかの条件(勤務地や給与、休日など)を変えて探し直しです。

「少しくらい遠くてもいいかな」

「給与が希望より少なくても仕方ないか」

妥協だきょうして、通勤が片道2時間近くかかる企業に応募したこともありました。

「資格を取ることで、もっと家に近い求人や給料の良い求人も選べるかも」

と思い、転職活動をいったん休むことにし、職業訓練に申し込みました。

転職しやすくなる理由2.何がどのくらいできるのかを企業に伝えやすい

「就職に資格や経験なんて関係ない。やる気や人間性のほうが大事だ」

という意見もあるかと思います。

私も以前は、「履歴書に書ける資格がなくても、面接で一生懸命アピールすればいいだろう」と思っていました。

しかし、実際に転職活動をしてみると、この考え方では効率が悪いと感じました。

求人を出している企業には、何十人、何百人が応募してきます。

企業側は、これまで別の会社で勤めてきた人が自分の会社でも働けるのかを、履歴書や職務経歴書、面接などで判断します。

しかし、全員とじっくり面接までするのは大変なので、まず書類審査で数を絞ります。

履歴書や職務経歴書も、じっくり何分もかけて読まれるわけではありません。

ぱっと見て、印象の悪いものや「求めている人材とちがうな」と思われるものはどんどん落としていきます。

企業は、応募者が何をどのくらいのレベルでできるのかを、なるべく瞬時に知りたいと考えています。

資格や検定は、応募者が何をどこまで勉強したのかが一目でわかるものです。

会社が違っても共通で使える知識・スキルでもあるので、自分の経験や能力を言葉でひとつひとつ伝えるよりも、何がどこまでできるのかが企業に伝わりやすくなると思います。

検定結果がわかる前に出す履歴書には何と書く?

さて、職業訓練においては、簿記検定の勉強と同時進行で転職活動も行います。

検定試験の前や、試験~合格発表までの結果待ち期間に求人に応募することもあります。

その際に、資格の必要な求人に応募したり、履歴書の資格欄に「日商簿記検定〇級」と書いたりしても良いのでしょうか。

合否がわかっていなくても、近々受検する予定で勉強していたり、合否待ちであったりすれば、求人に応募してもかまいません。

しかし、まだ結果が出ていないので、履歴書には「XX年XX月 日商簿記〇級 合格」とは書けません。

この場合は、「XX年XX月 日商簿記〇級 受検」と書く方法があります。

資格によっては、合格していないとできない仕事や、合格証や免許がいる場合もありますが、簿記は不合格だったからといって内定が取り消しになることはまずないでしょう。

ただし、受検する予定がないのに「日商簿記 〇級 受検」と書くと嘘や詐称になる場合もあるので、あくまで取得の見込みがあるときのみ記入しましょう。

勉強して「自分には向いてないかも」と思ったときは?

職業訓練に行って勉強を始めたものの、「やっぱり会計・経理の仕事は自分に向いていないかも」と感じる人もいるかもしれません。

訓練の目的は”資格取得”ではなくあくまで”早期就職”です。

よって、資格を取らずに別の職種に就職しても、特に問題ありません。

「会計・経理には向いていなかったみたいだけど、訓練を受けることで自分の適性理解につながった」

と前向きに捉えれば、そこから自分の強みを見つけることにもつながると思います。

資格がすべてではなく、「自分を理解すること」が転職への最も近道なのではないでしょうか。