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職業訓練体験記⑧簿記だけじゃない!総務実務やパソコン実習の授業も
職業訓練の最終ゴールは?
職業訓練期間中は、毎日朝から夕方まで訓練校に行って簿記やパソコン実習などの授業を受けます。
宿題やテストもあるし、簿記検定もあるので、勉強だけでも毎日大変です。
ただ、勉強や授業は訓練の一部でしかありません。
最終目標は、あくまで“早期就職”。
なので、授業や検定対策の合間にも、さまざまなサポートや課題がありました。
履歴書・職務経歴書などの書類作成サポート
私が通っていた訓練校には、簿記やパソコンの講師のほかに、キャリアカウンセリング担当の講師がいました。
クラスでの講義で一斉にマナーや履歴書の書き方の指導を受けた後、休み時間や授業後の時間を利用し、個別面談の時間がありました。
そのときに、履歴書や職務経歴書の指導もしてもらいました。
書類作成で難しいのは、志望動機や自己PRの部分です。
自分の思っていることをそのまま書いても、応募先の企業にそれが好印象として伝わるかはわかりません。
自分以外の人の目で見てもらうことで、同じ内容でも自分の強みを生かし相手に伝わるレベルまで上げることができます。
服装・マナーの指導
服装やマナーに細かい指導をされるというと、
「新卒じゃあるまいし、服装やマナーぐらいわかってるよ」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、毎日「いつでも採用面接に行ける服装」で仕事をしている方はそんなにいないのではないでしょうか。
私の参加した職業訓練では、毎日スーツで行くことがルールになっていました。
また、希望者のみですが有料で履歴書用の写真を撮ってもらえるサービスもあり、その撮影のときは髪形やメイクまで細かく指導がありました。
キャリアカウンセリングの講師曰く、「履歴書の写真だけで印象がまったく変わる」のだそうです。
私は正直なところ、「人は見た目だけではないし、みんな同じような服装で面接に行くのってなんか変だな」と思っていました。
毎日ビシッとスーツを着て歩きにくい靴を履いたり、それまでやったことのないような髪型やメイクをするのにも抵抗がありました。
しかし、そんな私の考えも講師には見抜かれていたようで、
「自分がどうしたいかではない。相手にどう見られるかだ」
と言われ、「まあ就職できるまでの間だけだと思って、言われたとおりにしてみるか・・」
と半分しぶしぶ言われたとおりにしました(笑)
ビシッとした服装も、毎日続けると次第に慣れてきます
個別カウンセリング・模擬面接
最終ゴールが”就職”なので、訓練期間中でももちろん、本番の採用面接にどんどん行きます。
応募した企業や面接の日時、結果はすべて訓練校に報告しなければいけません。
面接の予定を前もって伝えておけば、事前に個別で面接対策や相談をすることができます。
面接本番でうまくいくかどうかはもちろん自分次第ではありますが、前もって「こんなことを聞かれたらなんて答える?」とトレーニングをしておくと、本番でも緊張せずに答えることができるかと思います。
面接で意外に大切なのは“時間”だそうです。
一生懸命話そうとするあまり、ひとつの質問に何分もかけて答えると「要領が悪い」「準備ができていない」「相手の時間を奪っている」という悪いイメージを持たれてしまうこともあります。
必要なことを簡潔にまとめて話せる人は、「この人はきちんと準備をしてきているし、簡潔に話せるので仕事も要領よくできそうだな」と好印象を持ってもらえる可能性が高いです。
私は、初めて模擬面接を受けたときのフィードバックでは、面接官役の先生に開口一番「話が長い」と言われました。
それからは、ひとつの質問に長くても1分ほどで答えられるよう、練習しました。
せっかくいい話をしていても、「長すぎる」と思われるともったいないです
数か月間ずっと同じ担当者についてもらえるのは心強い
大人になってから書類の書き方や服装・マナー、話し方などを指導される機会は、なかなかないと思います。
うまくできなかったり人から指摘されたりして、恥ずかしい思いをすることもあります。
しかし、恥をかくなら面接本番でかくよりも、訓練の場で先に経験してしまったほうが良いと私は思います。
職業訓練は数か月間、同じ担当者についてもらえるので、自分のことをより長く深く見てもらうことができます。
恥ずかしいことや嫌なこともありますが、「人に指摘してもらえるうちはありがたい」と謙虚に受け止めていくことが大切だと思います。