【復習ノート】心理臨床の基礎

心理臨床と臨床心理学の始まり

児童相談の現場

・1896年、米国の心理学者ウィットマーがペンシルバニア大学に世界で初めての心理クリニックを開設
・同年、米国心理学会(APA)年次総会において、初めて「臨床心理学(clinical psychology)」の語が使用される
・1909年、精神医学者ヒーリーによって、クリニックを併設した少年精神病質研究所がシカゴに設立(少年非行には処罰より治療が必要)
・日本では1948年、児童福祉法に基づく児童相談所が設立。以降、各地に児童相談所が設立される

医療の現場

・メスメル・・・動物磁気(催眠を用いたヒステリー治療)
・シャルコー、ジャネーら・・・ヒステリー発作と催眠状態の類似性について目覚ましい研究成果、催眠治療
フロイト・・・無意識を仮定した神経症に関する理論と心理療法を確立。自由連想法を用いた精神分析を創始。

教育現場と戦争現場

・ゴールトン・・・知的能力の個人差に強い関心、多くの感覚知覚能力検査を作成
・キャッテル・・・10種類の課題から成る標準メンタル・テストを作成⇒「メンタル・テスト(心理検査)」という語が生まれる
・ビネー・・・感覚知覚能力よりもっと複雑な記憶・認知・思考などの高次心理機能の測定の必要性を主張。知的障害児の識別のための尺度(ビネー・シモン検査)を発表
・ターマン・・・1916年、スタンフォード・ビネー検査を作成。知能指数(IQ)導入

フロイトの精神性的発達段階理論

・ヒステリー患者の治療⇒幼児期の体験が症状の原因と考える
・人は誕生以来、精神・性的な体験を段階的にすることにより成長するが、いずれかの段階で障害があると、青年期・成人期になって神経症を発症する原因となる
・神経症の原因を幼児期の親子関係に求める
リビドー(性的欲動)の開放により、神経症が治癒されると考える

①口唇期(生後1歳半くらいまで)・・・甘えん坊で依存的、要求がましく落ち込みや癇癪を生じやすい
②肛門期(1歳半~3、4歳ごろ)・・・几帳面、潔癖、頑固、倹約、吝嗇
③男根期(3~5歳ごろ)・・・エディプス葛藤、傲慢で攻撃的、自分の力を過度に誇示
④潜伏期(6~12歳ごろ)・・・リビドーが不活発になる、友情、団結心
⑤性器期(青年期以降)・・・リビドーが異性対象に向かう

ユングの個性化理論

・フロイトが青年期以降のリビドー発達に本質的変化がないとしたのに対し、人生の初めから終わりまでを、個性化(自己実現)に向けての継続的な変容の過程とみる
・エディプス葛藤は普遍的なものではなく、両親の態度に問題があるときに生じる可能性があるものとみなす
通過儀礼が思春期遷延の危険を防いでいるとする

人生の正午

・35~40歳の頃、個人のなかに深刻な変容が起こる。この時期の神経症は「無意識からの警告」とみて自分の生き方を変えるべきである
・人生の重要な転換期、または心理的危機の時期
・「自然目的」から「文化目的」への移行
・成長と自己実現の可能性は、人生の後半に存在する

精神医学における病因概念

医療の必要性

・意識障害・・・脳の覚醒水準が病的に低下した状態、目が醒めきっていないため知的機能が低下して見える
・認知症様症状・・・目は醒めているが慢性的に知的機能が低下している
「了解不能」な幻覚妄想・気分変動

器質因(外因)

・脳組織の変性・身体疾患・薬物など(物質素材の異常)
・脳機能の低下が比較的急速に起きたときは意識障害、ゆっくりと起きた場合は認知症様症状が出現しやすい

内因

・物質素材の異常が想定されるが、内実・実態が不明なままのもの
統合失調症双極性感情障害が代表例
・遺伝子レベル・分子レベルと想定されている
・中心的症状は、幻覚・妄想、気分変動(抑うつ・躁状態)など「了解不能」性が特徴

心因

・器質因・内因がない(物質素材に異常がない)が、心的現象に偏倚が生じる(適応障害、心的外傷後ストレス障害)